スーパーマーケットよ、おめでとう。
コロナが時間を早めた。
日本標準産業分類のなかで、
スーパーマーケットに戸籍を与えた。
これまでは「各種食料品小売業」だった。
なんとうれしいことだろう。
百貨店・総合スーパーは、
ずっと一括りにされていた。
確かに両者は双子の業態ではあるが、
それがやっと百貨店と総合スーパーに分かれた。
バラエティストアは1879年に、
米国のウールワースが生み出した。
あちらでは伝統も社会性も成長力もある。
これも日本でワンプライスショップと位置づけられた。
コロナによって戸籍が与えられた。
スーパーマーケットも、
デパートメントストアも、
総合スーパーも、
ワンプライスショップも。
しかしこれまでなぜ、
戸籍がなかったのか。
小売産業はいまだに、
士農工商の序列の中にあるのか。
ならば自らの地位を高めねばならない。
顧客や取引先や行政から、
アカデミズムやジャーナリズムから、
もっともっと認められねばならない。
コロナが時間を早めた。
コロナによって戸籍が与えられた。
それはわれわれがコロナに勝ったことを、
証明してくれているのだ。
スーパーマーケットよ、おめでとう。
〈結城義晴〉