「やってる感」を払拭せよ。
倉本長治は厳しい。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
一瞬たりとも、
気を抜くな、手を抜くな。
その積み重ねが君の人生に意味を与える。
対して52週MDは優しい。
1年間は52週、四半期は13週。
まずはその基礎単位の1週間を充実させよ。
52週マーチャンダイジングと言うけれど、
中身はウィークリーマネジメントである。
週単位のオペレーションとプロモーションである。
商品部の「商品調達と商品開発計画」。
店舗の「売り方と運営と販売計画」。
マーケティングセクションの「販促計画」。
商品部の「作」、
店舗の「演」、
販促部の「調」。
それらが一体となった商品。
それらが融合した売場。
それらが衝突しつつ爆発する店。
しかしここに「やってる感」が忍び込む。
成果の有無や大小を問わず、
頑張る姿勢だけ見せる。
悪しき組織風土。
悪しき官僚化。
悪しき大企業病。
それを払いのけるには、
「本気」の行動が必須である。
そして行動の成果をこそ評価すべきだ。
「やってる感」は外面(そとづら)である。
「本気」は内面(うちづら)の問題だ。
内面が外面に抑え込まれる。
そうすると「やってる感」が生まれてくる。
「やってる感」で仕事し、
「やってる感」で生活してしまう。
「この一瞬の積み重ねこそ、
君という商人の全生涯」
倉本長治はやはり正しい。
自分の人生を深く考えるとき、
外面の生き方には意味がない。
いつだって自分には内面がわかるからだ。
「やってる感」を払拭せよ。
それは自分自身を見つめることだ。
あくまでも自分を高めることだ。
〈結城義晴〉