イオン・グループ企業4新社長の「商人の本籍地と現住所」

3月に入った。
勇気こそ地の塩なれや梅真白(うめましろ)
〈中村草田男〉
「地の塩」はマタイの福音書から。
「あなた方は地の塩である」との、
イエス・キリストによる「山上の垂訓」の一節。
世のために尽くせ、という意味がある。
勇気をもって世のために尽くせ、
梅が真っ白に咲いている。
草田男の教え子が学徒動員で戦地に赴く。
その「かどで」のときに、
「無言裡に書き示したもの」とか。
3月は私にとって、
懸案の問題は残っているものの、
とりわけて大きなイベントはない。
懸案の問題とは単行本の執筆だ。
根本の発想は変わらない。
けれどプロットの構想は大きく変わってきている。
ケーススタディを入れたいと考えている。
それはとても面白いし、
役に立つ。
ニューヨーク研修が終わって、
そちらに集中できる。
3月5日が啓蟄。
3月20日が春分。
この啓蟄の15日間が、
その構想を実行に移すときだ。
決意を新たに2025年3月を迎える。
さてイオンが、
着々と人事や組織の改編を進めている。
商人舎流通SuperNews。
イオンnews|
グループ4社の新代表人事発表、イオンビッグ社長に三浦弘氏
3月1日付でグループ会社4社に新代表者が就任する。
三浦弘イオンビッグ(株)代表取締役社長。
三浦さんは㈱ビッグ・エー 代表取締役社長、
アコレ㈱ 代表取締役社長を経て、
イオンビッグ取締役副社長だった。
私は高く評価している。
山本 浩喜イオングローバルSCM㈱代表取締役社長。
山本さんはジャスコのプロパーで52歳。
2016年にイオングローバルSCM首都圏運営部長となった。
そしていまそのトップ。
伊藤秀樹イオンマーケティング(株)代表取締役社長。
1994年ダイエー入社の54歳。
ダイエーの営業企画や営業戦略を担当し、
2015年に執行役員業態開発部長。
2023年にリテールビジネス改革本部長、
そして昨2024年に取締役デジタル担当。
イオンマーケティングで重責を担う。
そしてイオン㈱DX担当を兼務する。
木原弘恵イオンベーカリー㈱代表取締役社長。
木原さんもダイエープロパーの53歳。
食品畑を歩いて、
2014年、㈱ボンテ 代表取締役社長。
ダイエー傘下のパンの製造小売業。
同社関東ベーカリー部長から、
イオンベーカリーの社長への抜擢。
イオンベーカリーは、
「カンテボーレ」を中心に148店を展開する。
もともとは㈱マイカルカンテボーレ。
楽しみだ。
今回の4人の代表取締役社長の人事を見ると、
ダイエー出身者が3人、
ジャスコプロパーが1人。
イオンはこういった人事を次々に行っている。
実にいいことだ。
これこそ多様性である。
「商人の本籍地と現住所」を、
私は声高に言っている。
商人として、
最初に影響を与えられたのが、
「本籍地」である。
「本籍地」は大切にしなければならない。
「本籍地」の悪口を言ってはならない。
その後、それぞれに経緯があって、
「現住所」がある。
商人の本籍地に多様性をもつ企業は、
意志一致が進めば、強い。
変化にも対応できる。
期待しよう。
最後に、私はこれまで、
人を脅したことがない。
人を脅す人間は信用しない。
日本の法律では「脅迫」は、
「生命、身体、自由、名誉または財産に対して
害悪を告知すること」。
相手に恐怖を与える言動。
一方、「恐喝」は、
「相手を脅迫して畏怖させて財産を交付させること」
すなわち「脅迫行為+財産交付の要求」のこと。
こちらは犯罪となる。
「脅迫」や「恐喝」のない世界にしなければならない。
「脅迫」や「恐喝」をことさらに評価してはいけない。
それが人類の英知と品格である。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
人財が最大の資産であることは、年を重ねるほどよくわかってきます。
ある方曰く、リーダーの必須条件は、品格、人格、才覚。
才覚があっても、品格、人格がなければ、人はついていきません。損得勘定だけの関係では、チームも組織も運営できません。
その点、イオンさんは、本当にすごいです。トランプさんは、反面教師です。
品格、人格、才覚。
その通りですね。
世間の風潮が、
「ディール」や「カード」を礼賛する方向に行ってしまうのは、
悲しいことです。