万代渋川店の「会心の状態」とチェスタトンの「異常な人」

万代渋川店。
万代知識商人大学の講義のときには、
必ずこの店をぐるりと巡って、
昼食のお弁当やその他必要なものを買う。
商人舎流通SuperNews。
万代news|
本社ビル1階の旗艦店「渋川店」大改装して11/25オープン
昨年11月25日に大リニューアルを敢行した。
月刊商人舎12月号では、
その模様を紹介した。
「会心の改装!」万代渋川店
本社下の旗艦店リニューアルでハイ&ローを極める
IDとパスワードを持っている人は、
12月号の記事を読み直してほしい。
水産部門は 特に広く感じられる。
奥の水色のパネルとイラストがいい。
ここぞという局面ではこの売場で、
「立ち売り」が展開される。
「デリ」部門が万代の強みだ。
私は299円の「かつ丼」を購入して食べた。
センターで下ごしらえして店で揚げる。
オーケーのかつ丼が有名だが、
同社高井田店が進出してくる前から、
万代の299円かつ丼は顧客に馴染んでいた。
店舗左サイドがデイリー売場。
売りたいアイテムがはっきりしていて、
しかも買いたい価格になっている。
万代の経営理念に謳われている。
「正しい商品、
正しいサービス、
正しい価格」
パン売場はレイアウトの最後にあって、
ここでも顧客は必ず何かを買う。
「明日のパン」としてテレビでも有名になった。
万代の子会社の「アルヘイム」のパン売場。
工場からの直送、北欧のパン屋さん。
「手作り&毎日配送」
「売場が拡がったというお客さんからの評価は
設計冥利に尽きる。会心の出来です」
芝純常務取締役が胸を張った店。
会心の状態だった。
東京に帰ってきて今日は、
午後からお茶の水。
井上眼科クリニック。
新お茶の水ビルディングの18階・19階・20階。
東邦大学病院から、
富田剛司教授が移籍してきた。
私の緑内障の執刀医。
だから私も現在はこの病院に通う。
視野検査と眼圧測定。
右目は白内障、網膜剥離、緑内障。
眼病のデパート。
今回、視野はさらに狭くなった。
眼圧も右目は19。
富田先生からは言われている。
「結城さんの右目の寿命は、
あなたの命より短い」
だから覚悟はできている。
左目が助けてくれている。
それでも富田先生に診てもらうと、
安心できる。
また頑張ろう、という気力が沸いてくる。
自分の弱みを知ることは、
勇気につながる。
私はそう思っている。
朝日新聞「折々のことば」
第3368回。
哲学者の鷲田清一さんが、
毎日、ことばを選んでくれる。
「自己を信じて疑わぬ、
というのは罪であるばかりか、
それは一つの弱さなのだ」
〈G・K・チェスタトン〉
「異常を見破るのは尋常の人で、
異常な人は異常を異常と思わない」
つまり、
「徹底して現世的な人びとには、
現世そのものを理解することさえできぬ」
『正統とは何か』から。
イギリスの作家、評論家。
「ブラウン神父」ものは探偵小説の古典だ。
高校の英語の先生が、
チェスタトンのファンで、
授業でよく、その文章を紹介してくれた。
簡潔な文体だ。
鷲田さん。
「同じように国家もその正気を保つには、
異変を察知するアンテナ、
いいかえると己の傲慢(ごうまん)に反逆し、
それを是正してゆく装置を
内蔵していなければならないだろう」
鷲田さん、最近の世界の政治に、
ちょっと腹を立てている。
その心持ち、わかる。
異常な人は異常を異常と思わない。
それが大国のトップたちだから困る。
徹底して現世的な人びとが、
現世そのものを理解できない。
滑稽で、異常だ。
自分の弱みを知ろうとしない者は、
どうしても傲慢になる。
だから彼らは、
現実を理解することもできない。
〈結城義晴〉