明日からネバダ州ラスベガス。

商人舎US研修ベーシック編。
In Las Vegas。
IMG_4778-002

2011年に第1回を始めて、
コロナ禍で中断して、
もう14回になる。

参加者は総勢500人を超えた。

商人舎を創設した時に誓った。
商業の現代化と知識商人の養成。

その方法論のひとつが、
US研修ベーシック編でもある。

参加者の仕事に役立ち、
成長を促す。

私自身ももちろん学ぶ。

よろしくお願いします。

日経新聞夕刊「あすへの話題」
作家の今野敏さん。
私は今野作品の読者だ。

「好き嫌い」

「5月6月は、なぜか文学賞の選考会が多い。
いくつかの賞の選考委員をかけ持ちしていると、
この時期読む本がやたらに多くてたいへんだ」

今野さんは1955年、北海道生まれの70歳。

選考委員の資格十分。

芥川賞や直木賞こそとっていないが、
吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、
山本周五郎賞、日本ミステリー文学大賞など、
軒並み受賞している。
konnno (1)

選考委員は各賞の最終選考に残った候補作を、
それぞれ5冊ほど読む。

飛ばし読みはできない。
選考会ではそれぞれの作品について論評する。
だからメモも作る。

「えらく時間がかかる」

そのうえ、「公平で論理的な選考」をする。

「これがなかなか難しい」

そこで今野さん。
「できるだけ客観的に評価しようとするのだが、
それでも最終的には『好み』が顔を出してくる」

わかる。

「人間が選考委員をやっている限り、
そして自分自身も実作家である限り、
それは避けられない」

私は小説の選考委員はやったことがないが、
論文の審査や論文賞の選考委員は経験がある。

同じだ。

「好み」を選んでしまうことは、
少なくない。

今野さん。
「そして、それを無視するのは、
自分に噓をつくことでもある」

その通り。

「しかし、選考委員たるもの、
好き嫌いで受賞作を選ぶわけにはいかない」

「選考会でその『好き嫌い』について、
ちゃんと説明する必要があるのだ」

「これが難しい」

わかる。

「好き嫌い」の説明は困難を極める。

「豚肉が嫌いなのに理由はないのだ。
にもかかわらず、
それをやらなければならない」

「考えてみれば、普段は、
自分の『好き嫌い』を客観視し、
言語化することなどあまりない」

「つまるところ、文学賞の選考というのは、
自分自身を見直すことに他ならない」

エッセイのオチ。
「……などと言ってないで、
さて、今日も読まねば」

顧客が店や商品を選ぶ。
文学賞の選考ほどではないが、
最後は「好き嫌い」だ。
値段以上に好き嫌いで選ぶ。

つまり店や商品は、
顧客から「好き」だと、
思ってもらわねばならない。

「大好き」が一番いい。
「好き」でもいい。

ここで「嫌い」も「大嫌い」も、
実はそんなに悪くはない。

「好き」に転じてもらう、何かがあるからだ。

つまり特徴があるからだ。

もっともいけないのが、
顧客が何にも感じない。
顧客が無関心である。

「好き」に転じてもらう余地もない。

「好き嫌い」の反対語は「無関心」だ。

小説など「無関心」な作品には、
意味すらない。

日本の総合スーパー業態は、
同質化の危機に至った。

それが衰退の真因だ。

そのなかでドン・キホーテだけは、
ポジショニングを得た。

「好き嫌い」の対象となった。

ほかはダイエーも西友も、
イトーヨーカ堂やイオンですら、
静かに「無関心」の方向に行ってしまった。

アメリカの総合スーパー業態は、
ウォルマートとターゲット。

アメリカ人はどちらかが好きで、
どちらかが嫌いだ。

「無関心」の店や企業は、
例外なく絶滅した。

それがアメリカのチェーンストアの競争だ。

それを学びに行く。
とことん学び取りたいものだ。

〈結城義晴〉

1週間分をまとめて読む
流通スーパーニュース