結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年04月03日(木曜日)

クルーグマンの「完全に狂っている」と上野光平の「最高で無比の」

ドナルド・ジョン・トランプ。
アメリカ合衆国大統領。

すべての国への一律関税10%と、
「ダーティ15」への相互関税の概要を発表した。

あ~あ。

2008年ノーベル経済学賞受賞の経済学者、
ポール・クルーグマン博士。
ニューヨーク市立大学大学院教授。
1953年2月28日生まれで、
日本流に見れば私と同学年。
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ニューヨーク・タイムズのコラムニスト。
そのコラムは「マーケットを動かす」と言われる。

トランプ関税を猛批判。
「完全に狂っている」

「関税率は誰が予想していたよりも高い」

そして「貿易相手国について虚偽の主張をしている」

さて、これは脅しなのか。
正気なのか。

世界がそれほど戦々恐々としていないのも不思議だ。

桜は咲いているが、寒い。
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まだまだ満開の一歩手前。IMG_1435 (002)

横浜でも今週末まで楽しめそうだ。 IMG_1436 (002)
無頼派の坂口安吾には、
「桜の森の満開の下」という短編がある。

商人舎オフィスに出ると、
「セルコレポート」が届いていた。IMG_1441 (002)

私の連載は「艱難は商人を鍛える」
その36回「西友『流転の艱難』」IMG_1443 (002)
ご愛読をお願いします。

さて商人舎流通SuperNews。

平和堂news|
営業収益4449億円4.6%増・経常利益146億円1.1%増

(株)平和堂の2025年2月期連結決算。
営業収益4449億円(対前年増減率4.6%増)、
営業利益134億円(0.8%増)、
経常利益146億円(1.1%増)、
当期純利益107億円(58.1%増)。heiwado2502-1

営業利益率3.0%、経常利益は3.3%。

当期純利益の大幅増益は、
前期の能登半島地震被害に伴う特別損失の反動と、
政策保有株式の売却益が出たため。

既存店売上高は102.8%。
客数102.1%、客単価101.6%。

みんな、頑張っている。

重点戦略は、
「生産性改善も含むコスト構造改革の推進」

2026年度までの「第五次中期経営計画」は、
地域密着ライフスタイル総合(創造)企業を目指す。

具体的には二つの取り組みがある。
第1は、
「子育て世代ニーズ対応による、
顧客支持の獲得」

子育て世代に人気の大容量パックを強化した。
頻度品をKVIとして価格訴求した。
KVIは「キーバリューアイテム」

2024年7月にHOPアプリをリリースして、
2025年2月現在で81万人が会員登録している。

第2の取り組みは、
「ドミナント戦略をベースとした、
HOP経済圏の拡大」

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ドミナント戦略強化に向けて、
愛知県に3店舗、滋賀県に1店舗、
そして大阪府に1店舗を新規出店した。

ネットスーパー事業は5店舗となった。

平和堂単体の期末店舗数は164店舗。

連結子会社のベストーネが、
プロセスセンター・デリカセンターを運営する。
そのアウトパック活用推進で、
コスト構造改革を進めつつ、
従業員の働きがいを向上させ、
生産性を高める取り組みを進めている。

平和堂は着々とマイペースで進む。
それが平和堂らしくて、いい。

「セルコレポート」では、
故上野光平さんの文章を紹介した。
上野光平

1967年6月の西友ストアー社内報、
その巻頭の「今月のことば」。

「私たちに課せられた課題の大きさに比べて、
私たちの仕事の質の低さに
いらだたざるを得ないのも事実であります」

「私たちの課題は、
『最高で比べるものもない』
ということであります」

「私たちの規模と社会的責任とは、
私たちに最高かつ無比の仕事のレベルを
要求しております。
私たちはこの要求に
こたえなければなりません」

「商品部の諸君、あなた方は、
戦略商品群について、
『最高で無比の』戦略体制を
実現しているのでしょうか」

「管理部の諸君、あなた方は、
経営管理の精度と合理化と管理コストにおいて、
『最高で無比の』業績を
達成しているのでしょうか」

「店舗の皆さん、あなた方は、
高い労働生産性と低い店舗コストの運営によって、
『最高で無比の』店舗運営を
しているでしょうか」

「課題への挑戦には、
自己満足のひとかけらも
許されないのです」

御意。

〈結城義晴〉

2025年04月02日(水曜日)

スクワットしながら思う「トランプは経済市場によって裁かれる」

ニューヨーク証券取引所では、
ダウ平均株価が224ドル安。

東京市場では日経平均株価が、
3万6000円を切った。

明日、米国ドナルド・トランプ大統領が、
「相互関税」の詳細を発表する。

3月25日の日経新聞「大機小機」
「トランプ関税の全廃に立ち上がれ」

「このままトランプ関税が発動されれば、
世界経済はスタグフレーションに巻き込まれる」

スタグフレーション(Stagflation)は、
スタグネーション(Stagnation=停滞)と、
インフレーション(nflation=物価上昇)の、
合成造語。

景気後退とインフレが同時に起こる現象。

景気は後退局面にあるのに、
モノ不足によってインフレの状態となること。

一般的には不景気のときには、
デフレ圧力がかかりやすい。

それが不景気なのに、
インフレが起こる。

つまり「最悪の経済状態」

それが起こるかもしれない。

コラムニストは無垢さん。
ズバリズバリとモノを言う。

「米大統領就任から2カ月、鮮明になったのは
その『経済音痴』ぶりである」

「関税ほど美しい言葉はない」と繰り返す。

「貿易黒字は利益で、
貿易赤字は損失と思い込む」

「高関税で貿易赤字は減ると信じる」

「貯蓄投資バランスを軸とする、
経済学の常識に欠けている」

4つの展開を予想する。

第1に、
高関税で2国間の貿易収支の均衡はできない。

第2に、
関税戦争はエスカレートする。
鉄鋼やアルミから、
自動車、相互関税へと拡大すれば、
危機は深まる。

不確実性の時代に、
消費も投資も手控えられる。
市場の波乱による逆資産効果も無視できない。

第3に、
軍拡競争しだいで債務膨張も懸念される。
リーマン・ショック以来の信用危機を前に、
日米の金融政策は身動きできない。

第4に、
その影響をまともに受けるのは、
トランプ政権を支えた社会的弱者である。
危機が経済格差をさらに広げる。

そして解決策をたとえ話で説明する。
アンデルセンの童話「裸の王様」

「王様は裸だ」と言った少年が世界を変えた。

「日米同盟は重要だが、
裸の王様に追従するだけでは、
国際信認を失う」

「見て見ぬふりではすまない。
世界に視野を広げて、
自分さえよければいいという姿勢から
卒業するしかない」

しかし2025年の裸の王様は、
少年の声では目覚めないだろう。

どうなるかわからない。
どうすればいいかわからない。

けれど私は最初から言っている。

トランプは経済市場によって裁かれる。

私はスクワットでも続けるか。IMG_4170 (002)

⑴基本は深いスクワット
IMG_4171 (002)

⑵スロートレーニング
深く、しっかりしゃがんで、
そこからゆっくり立ち上がってきて、
完全に立ち上がりきらずに、
またしゃがむ。

⑶逆スクワット
しゃがんでから速く立つ。
IMG_4172 (002)

商人舎流通SuperNews。、
大創産業news|
「今治製 紋織ハンカチ」Standard Productsで発売

Standard Products by DAISOは、
国内地域産業とのコラボ商品を開発している。

愛媛県今治市の、
「今治製紋織(もんおり)ハンカチ」

これはいい。
すぐに買おう。

6色で展開する。
⑴新橋(しんばし)
⑵薄墨(うすずみ)
⑶灰白(かいはく)
⑷臙脂(えんじ)
⑸辛子(からし)
⑹草(くさ)
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薄墨と草がいいかな。

最後に朝日新聞「折々のことば」
第3372回。

毎日毎日、中身の濃い連載である。
感心を超えて、感動している。

万物に後ろ姿はある
〈東海林さだお〉

「『経営の神様』とされる松下幸之助は、
人を採用する時にはその人の運と、
愛嬌(あいきょう)と後ろ姿をよく見ろと諭した」

漫画家・東海林さだおは、
その言葉に刺激された。

「ではカボチャや牛蒡(ごぼう)
後ろ姿はどこかと思案する」

「でもこの神様、ひょっとしたら
面接員の洞察力を後ろから
密かに測っていたのかも」

すべてのものに後姿があって、
それがその人間や野菜、モノの、
本質を表している。

トランプにも後姿はある。

それが人々によく見えるときが必ずくる。
いつかはわからない。

〈結城義晴〉

2025年04月01日(火曜日)

河合隼雄の「逆転思考」と遠藤周作の「くるたのしい」

4月に入った。

4月1日は、
エイプリルフール。

河合隼雄(かわいはやお)さん。
1928年~2007年。
京都大学教授、日本のユング派心理学の第一人者。
臨床心理学者、文化功労者。
そして文化庁長官を務めた。

その河合さんは「日本ウソツキクラブ会長」を自称。
架空の親友・大牟田雄三との共著は、
『ウソツキクラブ短信』
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最近の心理学の研究では、
ウソは高く評価されているらしい。

それを踏まえて某教育委員会が、
「ウソのつき方」を教え、
生徒たちに週13回以上のウソをつくように指導した。
すると生徒たちの精神衛生がぐっとよくなり、
いじめも不登校もまったく消滅……
という報告も、あるらしい‽!

河合さんの箴言(しんげん)。
「うそは常備薬、真実は劇薬」

エイプリルフールにこそ読むべき本だ。

その河合隼雄さんの著書。
『「老いる」とはどういうことか』81QZRVWC9dL._SL1414_
昨日のブログは「若返れ」と主張した。
けれど今日は「老いも、いい」という話。

河合さんの「老いる」の本の「その一の2」
「逆転思考」

――昔々、ある殿様が老人は働かず、無駄だから山に捨てるように、というお触れを出した。ある男が自分の父親の老人を捨てるにしのびず、そっとかくまっておいた。

殿様はあるとき、灰で作った縄が欲しいと言いだした。皆がわれもわれもと灰で縄をなおうとするが、どうしても作れない。

例の男が父親に相談すると、わらで固く固く縄をない、それを燃やすといいと教えてくれた。なるほど、やってみると灰の縄ができたので殿様に献上した。

殿様は喜んで誰の考案かと言う。実はかくまっていた老人の知恵で、と白状すると、殿様は、老人は知恵があるので、以後捨てずに大切にするようにとお触れを出した――。

おもしろい。

縄を作ってから灰にする。
「逆転思考」

そこで河合さんの提案。

「老人は何もしないから駄目」と言うが、
「老人は何もしないから素晴らしい」と、
言えないか。

「青年や中年があれもするこれもすると
走りまわっているのは、それによって、
生きることに内在する不安を
ごまかすためではなかろうか」

「何もせずに『そこにいる』という老人の姿が、
働きまわる人々の姿を照射して、
不思議な影を見せてくれるのである」

同感したい。

私は何もせずにいることができない。

まだまだ「生きることに内在する不安」に、
勝てないでいるのかもしれない。

これは嘘ではない。

さて商人舎流通SuperNews。
帝国データバンクnews|
4月の値上げ4225品目/1年半ぶりに4000品目超

主要食品メーカー195社の調査。
4月の飲食料品の値上げは4225 品目、
値上げ1回当たりの平均値上げ率は月平均16%。
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今年1月以降4カ月連続で前年を上回った。

値上げのピークは2023年10月だった。
それ以来、1年6カ月ぶりに、
単月で4000品目を超える。

「値上げの季節」は、売りにくい。
覚悟が必要だ。

4月の値上げ品目をカテゴリーで見ると、
調味料が2034品目で最多。

酒類・飲料は1222品目。
缶ビール・缶チューハイ、
コーヒー飲料が値上げ。

加工食品は659 品目。

2025年通年での値上げは、
9月までの発表分で累計1万1707 品目。

昨年の実績は1万2520品目だった。

昨年に比べて値上げペースは早い。

9月までのカテゴリーでは、
冷凍食品やパックごはんなど加工食品が3499 品目。
調味料が3294 品目、酒類・飲料が2089 品目。

2025 年の値上げ要因。

原材料高が97.8%。
物流費由来の値上げは81.8%、
人件費要因の値上げは45.1%。

これにドナルド・トランプの、
「関税不況」が重なってくる。

今年の夏から秋、年末まで、
厳しい消費局面が続く。

賢い「老人」に聞いたら何と言うだろう。

「逆転思考」と一言、
答えるに違いない。

「具体的方策は自分で考えよ」

苦しければ苦しいほど、面白い。
やりがいがある。

河合隼雄さんの著書『父親の力、母親の力』
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作家の遠藤周作さんと対談した。
もうお二人とも故人だ。

遠藤さんは言った。
「小説書きの仕事はくるたのしい」

「くるたのしい」は「苦楽しい」

苦しくて、楽しい。
苦しいことは、楽しい。
苦しいほど、楽しい。
そして楽しいことには必ず、
苦しいことがつきまとう。

今年の4月以降は、
「くるたのしい」

ああ、くるたのしい。
くるたのしい。

〈結城義晴〉

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