結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年11月19日(火曜日)

谷川俊太郎逝去の「うそとほんと」と㈱万代トップとの交流

谷川俊太郎さんが亡くなった。
92歳。

日本の現代詩を代表する詩人。
1931年生まれ。
哲学者・谷川徹三の一人息子。

東京都立豊多摩高校在学中から、
詩作に目覚める。

その詩のノートを父・徹三が、
友人の詩人・三好達治に見せた。

太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。

あの三好達治だ。
三好が俊太郎の詩を気に入って、
20歳になったとき、
『二十億光年の孤独』を発刊。

幸運なデビューだった。

茨木のり子、川崎洋の同人詩誌『 櫂(かい)』に参加。

『六十二のソネット』『愛について』などなど、
詩集を発表し続けた。

手塚治虫のアニメ「鉄腕アトム」の主題歌は、
谷川の作詞だ。

イオンの「木を植えよう」も谷川作。

童謡やわらべ歌も作った。
英国伝承童謡の訳詩集「マザー・グースのうた」、
「ことばあそびうた」「わらべうた」など。
ひらがなで書いた詩も多い。

私はそれらが好きだった。
このブログに何度も引用した。

「谷川俊太郎詩集」より。谷川嘘とほんと
うそとほんと

うそはほんとによく似てる
ほんとはうそによく似てる
うそとほんとは
双生児

うそはほんととよくまざる
ほんとはうそとよくまざる
うそとほんとは
化合物

うその中にうそを探すな
うその中にほんとを探せ
ほんとの中にほんとを探すな
ほんとの中にうそを探せ――

92歳の大往生。
ご冥福を祈りたい。

私は新横浜から新幹線で西へ。

定宿のシェラトン都ホテル大阪は、
クリスマスプレゼンテーション。IMG_7505

玄関の大ぶりのクリスマスツリー。IMG_7504

赤や緑、青へと色が変わる。

18時からはホテル内の中華「四川」で会食。
IMG_7506

私の右が阿部秀行社長、加藤健副社長、
そして左が芝純取締役。

月刊商人舎11月号のこと。
関西市場の動向やスーパーマーケットの近況、
消費者の変化などを情報交換。
兵庫県知事選のことも話し合った。
現地の人たちの考え方は興味深かった。

最後はスリーショット。
IMG_7507

さて日経新聞「大機小機」
「大統領選で浮かんだ米国の闇」

既存メディアの弱さが指摘されているが、
ソーシャルネットワークの情報は短い。
ある意味の瞬間芸だ。

しかし長い文章でなければ、
伝えられないこと、
理解できないことは多い。

コラムは米大統領選挙をテーマにする。
共和党候補のトランプ前大統領に敗れた、
民主党のハリス副大統領。

敗北の弁でキング牧師の言葉を引用した。
「暗闇が深いほど星は輝く」

「多くの人が暗黒の時代に突入した、
と感じていることは知っている。
もしそうだとしても、
無数の輝く星で空を満たそう」

コラムニストの九転十起氏。

「ハリス氏のスピーチを聞いて筆者は、
分かっていないと感じた。
だからハリス氏は、いや、民主党は
敗れるべくして敗れたのだと納得した」

「米国は近年、
めざましい経済成長を謳歌してきた。

「主要株価指数は最高値を更新し続けている」

「しかし、そうした経済的繁栄の光が輝きを増す一方、
光が届かない所の闇は深くなる」

「トランプ氏が米大統領に返り咲くことで
暗黒の時代が始まるのではない」

「すでに深い暗闇は存在していた」

この見方、同感だ。

「成長から取り残された多くの人々は
闇の中にずっと前からいたのである」

「その闇の中で見つけた星がトランプ氏だった」

「今回の選挙では所得が低くなればなるほど、
前回と比べて民主党から共和党に
投票先を切り替えた人が増えた」

「米国の成長と繁栄を主導し
その恩恵にあずかってきたのは
一部のエリートとビジネスの成功者だが、
その陰で大多数の『負け組』がいる。
票の数では圧倒的に負け組の方が多い」

「であれば、
そちらにフォーカスした者が勝つのは
自明ではなかったか」

「民主政治のど真ん中を突いた
トランプ氏のような人物が
米国のリーダーに選ばれたことに、
改めて世界は民主主義の
盲点を突かれた気がしたのではないか」

「しかし、問題は衆愚政治でも
民主主義の機能不全でもない。
米国の経済格差とその帰結である分断だ」

ここに根がある。

「トランプ氏の虚勢はすぐに
見破られるのではないか」

「低所得者の暮らしが厳しいのは
民主党の失政のせいではなく、
トランプ氏と共和党が改善できるわけでもない」

「早ければ2年後の中間選挙で
失望は投票行動に表れ、
共和党は多くの議席を失うだろう」

「しかし、それは決して民主党が
信任を得るということではない」

「行き場のない不満は
解消されない」

「右から左へ、そしてまた左から右へ、
振り子の針が振れるだけである」

「その巨大な振れ幅に世界が翻弄される。
これが真の問題である」

行き場のない不満。
それは日本にもある。

右から左へ、左から右へ。
巨大な振れ幅に社会が翻弄される。
日本も同じだ。

その振れ幅にたじろいではいけない。

うその中にほんとを探せ
ほんとの中にうそを探せ――

合掌。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • うそとほんとはよく似ていてよく混ざるというのは、今のSNS社会を予言しているかのようです。
    うその中にほんとを探し、ほんとの中にうそを探すのが、今まさに私達に求められている情報リテラシーだと思います。

    • 吉本さん、ありがとうございます。
      情報リテラシーこそ、重要ですね。
      同感です。

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