結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年04月11日(金曜日)

100歳で逝った伯父の「万能のナマンダブ」とイオン決算会見

朝6時のリムジンバスで、
横浜から羽田へ。

ベイブリッジ。
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横浜港。
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曇ってはいるけれど、
みなとみらいもはっきり見える。IMG_1695 (002)

30分足らずで羽田空港。
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8時発のJALに乗り込んで、
1時間半ほどで福岡空港。

到着するといつも、
少し早めの昼食を食べる。

空港ビル4階の博多やりうどん別邸。IMG_1702 (002)

そして名物やりうどん。
真ん中に槍を見立てたごぼうの天ぷら。
麺はつるっとした噛みごたえのないうどん。
これがいい。
IMG_1701 (002)

伯父が亡くなった。
結城信行。

3月に満100歳の祝いをした。
「百寿」という。

伯父はカウントダウンしていたそうだ。
「100歳まで生きる」

それを成し遂げて、
安らかに眠った。
IMG_1742 (002)
葬儀、出棺、火葬場、
そして初七日の法要。

粛々と進んだ。
ずっと浄土真宗の念仏の読経が流れていた。
「南無阿弥陀仏」

伯父は結城一族の長老。
かつては町会議員を務め、
博識だった。

驚くほどの記憶力だった。

私の父結城義登は一つ下の弟だ。
2014年11月4日に逝った。
父も米寿まで生きた。

伯父は父を「義ちゃん、義ちゃん」と呼んだ。
父は伯父を「信ちゃん」と言った。

仲良く碁を打っていた。
伯父にとって父は自慢の弟だった。

子どものころから父のほうが健康優良児。
成人し、壮年しても、父のほうが元気だった。

伯父は60歳で腎臓を患った。
それでも節制を重ねて、
100歳まで生きた。

その伯父は第二次大戦に召集されて、
関東軍に入った。

戦って敗戦。
伯父はシベリアに抑留された。
捕虜だ。

その厳しい抑留期間の最後のころ、
本当に珍しいことに、
缶詰が支給された。

若い日本兵が、
その缶詰を開けようとした。

しかし手がぶるぶる震えて、
開けられなかった。

寒さと喜び、それに緊張感が加わって、
缶切りで缶詰を開けることができない。

伯父が代わって、
「ナマンダブ、ナマンダブ」と唱えながら、
缶切りを動かすと、
すんなりと缶詰が開いた。

「ナマンダブのおかげ」
伯父は思い出しながらつぶやいた。

「ナマンダブ」は万能だ。

伯母との最後のお別れのときにも、
伯父は「ナマンダブ、ナマンダブ」と唱えた。

私も「ナマンダブ、ナマンダブ」と、
伯父を見送った。

100歳の大往生。
凄い伯父だった。
IMG_54322
ナマンダブ、ナマンダブ。

さて今日は東京で、
イオン㈱の2025年2月期決算説明会。

場所は神田ベルサール。
山本恭広編集長が取材した。

会場に用意された約150席は、
メディア関係者で7割方埋まる。aeon01_6643

登壇者は3人。
江川敬明執行役財務・経営管理担当、
吉田昭夫代表執行役社長、
そして四方基之執行役戦略担当。aeon2502kessan

江川執行役から業績の説明。
営業収益10兆1349億円(対前期比6.1%増)、
営業利益2377億円(5.2%減)、
経常利益2242億円(5.6%減)。

営業収益はとうとう10兆円を突破した。
過去最高収益。

しかし粗利益率を下げて、
増収減益。

商人舎流通SuperNews。
イオンnews|
営業収益10兆1349億円6.1%増/全セグメントで増収

総合スーパー事業が全体で3兆5594億円、
スーパーマーケット事業は3兆600億円、
ドラッグストア事業は1兆3228億円。

いずれも日本でトップのスケールをもつ。
実質的には日本最大の小売業である。

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決算概要の説明のあとは、
吉田社長が2025年の取り組みを説明した。
いつも説得力がある。
??????????

環境変化が激しい。
それは業界内の競争や再編だけでなく、
産業構造そのものが変容を見せているからだ。
消費者と市場の変化、
供給側の変化、
新規参入者の変化、
そして技術革新による変化。
それらが業界内の競争を激しくし、
シェア競争が加速化される。??????????

吉田さんは何度も、
「スケーラビリティ」という言葉を使った。

それがイオンの強みである。

イオンの決算説明会終了後、続いて緊急会見。
「ドラッグ事業の今後について」

イオン吉田昭夫社長、
ツルハホールディングス鶴羽順社長、
ウエルシアホールディングス桐澤英明社長、
3人が壇上に揃った。aeon-welcia-kaiken

イオンnews|
12月にツルハ、ウエルシアと3社統合/2032年3兆円へ

イオンを中心に、
ツルハホールディングスが、
ウエルシアホールディングスと、
資本業務提携に関する最終契約を締結。
経営統合に関する株式交換契約も締結。

3社の統合は2024年2月に発表されて、
2027年度をめどにしていた。

それが早まった。

株式交換は2024年12月1日。

ウエルシアホールディングスは、
11月27日に上場を廃止する。

両社合わせて売上高2兆3124億円、
店舗数5659。

日本最大で圧倒的な、
ドラッグストアチェーンが誕生する。

ツルハの鶴羽社長。

「イオンが有する食品などの知見、
物流インフラをはじめとする資源、
そしてスケールメリットを最大に生かし、
アジアNo1ドラッグチェーンになりたい」??????????

続いてウエルシア桐澤社長が統合の意義を説明する。??????????
「ウエルシアは調剤に強みを持つ。
ツルハは日用雑貨の品揃えが強い。
両社の強みに、イオンの食品をいち早く融合させて、
より競争力のあるドラッグストアをつくりたい」

イオンの吉田社長。
「ヘルス&ウエルネスは、
さらなる成長フェーズを迎える。
鶴羽社長、桐澤社長の若い2人が、
新しいドラッグストア像を、
つくりあげると思っている」
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ふたつの記者会見の段取り組み。
絶妙だったと思った。

私はあとから会見の模様を知った。
そして万能の「ナマンダブ」を唱えた。

〈結城義晴〉


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