年金支給日の「ラッキー!」と決算赤字企業の「積み重ね」

4月15日。
偶数月の15日は、
年金支給日。
スーパーマーケットをはじめ、
チェーンストアでは、
高齢者の購買が増える。
それに合わせて、
「シニアデー」などのプロモーションを展開する。
➀「55歳から」と年齢を引き下げて、広げている。
②たったの「5%OFF」である。
③偶数月ではなく毎月にしている。
実際に年金支給日ではなくとも、
不思議なことに15日には、
高齢者の購買が増える。
私も高齢者に入るし、
年金も支給される。
特別にモノを買うことはないが。
今日も1日、商人舎オフィス。
さまざまなメールを送ったり、
返事をいただいたり。
お願いをしたり、
お願いをされたり。
その間に懸案の単行本の仕事。
ある会社から頼まれて、
トップの語録を一冊にまとめている。
その仕事に目途がついて、
初稿が出始めた。
最後だから頑張りましょう。
自分自身の本はこの間、少し棚上げ。
申し訳ありません。
さて、上場小売業の決算が、
続々と発表されている。
商人舎流通SuperNewsで、
上段の[決算]のボタンを押してほしい。
この2日間の決算発表だけでも拾ってみる。
絶好調の企業。
ベルクnews|
営業収益3878億円10.2%増・経常利益174億円16.1%増
ハローズnews|
年商2108億円7.8%増/37期連続増収・12期連続増益
エコスnews|
年商1372億円5.5%増・経常利益6%増、10店舗活性化が奏功
J.フロントnews|
年商1兆2683億円10.1%増・営利35.2%増の増収増益
高島屋news|
年商4985億円・経常利益604億円・経常利益率12.1%
増収増益企業。
DCMnews|
営業収益5446億円11.5%増・経常利益310億円13.1%増
コーナン商事news|
年商5014億円6%増・経常利益3%増、2期連続増収増益
アークランズnews|
売上高3157億円・経常利益192億円/ホームセンター減益
キャンドゥnews|
年商833億円・経常利益9億円/出店拡大
天満屋ストアnews|
’24年商587億円0.2%増・経常利益0.8%増の増収増益
増収減益の企業。
アークスnews|
売上高6083億円2.8%増・経常利益175億円4.9%減
イズミnews|
年商5241億円11.2%増・経常利益257億円20.5%減
アレンザnews|
営業収益1533億円2.4%増・経常利益40億円14.3%減
減収増益企業。
ジュンテンドーnews|
年商444億円0.6%減・経常利益45%増、総店舗数122店
北雄ラッキーnews|
売上高369億円2.7%減・経常利益2億円61.7%減
そして残念ながら、
赤字の企業も多い。
ヤマザワnews|
年商1026億円0.7%増・経常損失4億円/新「中計」で再起
Olympic news|
’24年年商986億円8.5%増も純損失6700万円
スーパーバリューnews|
年商658億円6.0%減・経常損失27億円
サンデーnews|
年商465億円・営業損失3億円・経常損失2億円の赤字決算
こうしてみると、
絶好調企業と赤字企業が多い。
明暗がくっきりとしている。
そのあたりは月刊商人舎で、
丁寧に分析することになる。
値上げ商品の価格転嫁や、
インフレに対して、
柔軟に対応できない企業は、
不調から抜け出せない。
根底にあるのは、
企業としてのポジショニングの問題である。
それが確立の過程という企業もある。
赤字体質から脱皮するには、
幹部はもとより、社員、従業員が、
何らかの希望を持てるようにすること。
朝日新聞「折々のことば」
昨日の第3380回。
夢さめて先づ開き見る新聞の
予報に晴れとあるをよろこぶ
〈正岡子規〉
長く病の床にあって激痛に苦しんだ俳人。
その短歌集『子規歌集』(土屋文明編)から。
編著者の鷲田誠一さん。
「ひとは幸福を願うのなら、
幸福論の本は閉じたほうがいい」
「『幸福とは何か』などという、
大きな問いを立てるより、
淡い幸福の経験を一つ一つ
小刻みに重ねていったほうがいい」
赤字から脱するための、
経営論の本は閉じたほうがいい。
「利益とは何か」などという、
大きな問いを立てるより、
ちいさな売りの経験を一つ一つ、
小刻みに重ねていったほうがいい。
「『ラッキー!』と
小さな声で口ずさみながら」
心穏やかな高齢者は、
毎月15日、ラッキー!と口ずさんでいる。
「ちなみに語源辞典を開くと、
ハピネスとハプニングは同根とある」
そう、幸せは偶然起こるものなのである。
〈結城義晴〉