記者会見2本/関西SM物流研究会発足とヤオコーの来年の展望
あすの冬至を控えて今日は、
年末の記者会見が二つ。
一つは日本スーパーマーケット協会の会見。
ベルサール東京日本橋。
私はこちらに参加した。
11月のスーパーマーケット統計発表。
既存店の前年比は104.3%だった。
同じく11月の日本生活協同組合連合会の統計。
こちらは前年比102.6%。
店舗が101.8%、宅配が103.2%、
宅配のうちの個配が一番伸びていて104.9%。
それから岩崎高治会長の1年間の総括。
㈱ライフコーポレーション社長。
「手ごたえのあった1年」と総括した。
首都圏SM物流研究会も参加企業が19社に増えた。
2025年年頭所感が発表されている。
「年収の壁」に関する提言も、
スーパーマーケット三団体会長の連名で、
3つの観点から公開されている。
これらの内容は解説を加えて、
月刊商人舎1月号に掲載する。
さらに、
「関西SM物流研究会発足」の発表。
続いて岩崎会長が趣旨を説明した。
まず4社の参加によって、
初回研究会は2025年2月20日に開催される。
㈱平和堂、㈱万代、㈱オークワ、
そしてライフコーポレーション。
当面の課題は3つ。
⑴物流の効率化
⑵共同配送の検討
⑶荷待ち・荷役作業等時間の削減
加えて、
⑷参加企業トップのコミットメント
そのあとは3社からの決意表明。
平松正嗣平和堂社長。
「関西の2府7県で168店を展開している。
祖業は靴と鞄の店だったが、
現在は8割が食品となった。
だからこの研究会で問題を解決していく」
阿部秀行㈱万代社長。
「4社で関西のスーパーマーケットの、
31%のシェアを占める。
現在も競争はしているが、
互いにコストを下げる必要がある。
物流問題は2024年で終わるわけではない。
どんどん厳しくなっていく」
大桑弘嗣オークワ社長。
「最初に協会で研究会をやると聞いたとき、
4点は自分のところでやっていた。
しかしお盆商戦の前は、
計画を組んだ以上のことはやれなかった。
イレギュラーな場合の問題解決が必要だ」
その後、質疑応答。
この議論も月刊商人舎1月号で掲載する。
31%のシェアの4社だが、
もうすでに41%くらいの企業が参加するようだ。
物流研究会には裏方さんが大事だ。
時岡肯平日本加工食品卸協会専務理事。
國分出身のコーネル大学ジャパン1期生。
物流は協働・協調し、
店頭では競争する。
岩崎さんが強調した。
「公平で中立でわかりやすく」
それがこの研究会の在り方だ。
この研究会に限らない。
イオンやセブン&アイも含めて、
日本全国で物流の協調・協働は必須だ。
中小チェーンだとか大チェーンだとか、
そんなことは問題ではない。
それから政府の補助金など求める必要はない。
あくまでも小売業・卸売業・製造業の、
現場が改革、改善され、
全体最適を目指す。
それには自分たちでやり切ることだ。
一方、埼玉県の川越では、
ヤオコー年末記者会見。
山本恭広商人舎編集長が取材。
テーマは、
本事業年度の進捗状況と次年度の展望。
川越駅から徒歩10分、
ヤオコーの「サポートセンター」。
チェーンストアの本部をヤオコーでは、
店舗をサポートするセンターと呼ぶ。
会場には約30人の記者が集まった。
冒頭、川野澄人社長から営業の近況報告。
11月までの累計で既存店伸び率は106.1%。
客数103.5%、客単価102.7%、一品単価103.1%。
すべての項目で対前年増を記録する。
続いて、今期の進捗報告。
第11次中期経営計画の初年度。
重点施策は3つ。
第1は「南北政策」。
群馬、栃木、茨城の北エリアはシニア、
神奈川などの南エリアはヤングミドルを、
それぞれメインターゲットにする。
ヤオコーがKPIの一つにするのが、
1㎞圏内シェア。
現在は全体平均で17.18%。
南北では差が出る。
北は1㎞圏内シェア40%を超える店もある。
しかし、絶対的に商圏が薄いため、
3㎞圏内まで広げて占拠率を高める施策を打つ。
一方、南は商圏が高密度であるから、
10%程度でも成り立つ。
第2は「生鮮部門の強化」。
たとえば鮮魚の豊洲まつりは支持が定着した。
トマトはSKU拡大と鮮度管理の徹底で、
さらに売上げが伸びた。
第3は「運営の効率化」。
フルセルフレジと電子棚札の導入。
物流センターの運営改善。
着々と手を打った。
最後に川野社長が強調したこと。
「奇をてらったことはしない。強みを磨く」
納得。
さて私たちは記者会見のあとで田町へ。
札ノ辻スクエア。
その海側に開発されたのが札ノ辻スクエア。
商人舎流通SuperNews。
オーケーnews|
東京都港区・229坪の都市型店「オーケー札の辻店」5/10開設
オーケーの店は2階にある。
入り口は狭い。
売場面積も229坪と狭い。
駐車場は共用で有料の52台。
賃貸物件だ。
横長のフロアでコの字型のレイアウト。
両サイドがオープンケースのワンウェイ方式。
オーケーの定石。
奥主通路を曲がると日配から惣菜へ。
これもいつものオーケーと変わらない。
中通路は2本で冷凍食品のリーチインケースが並ぶ。
こうしてみるとオーケーは、
普通のコンビニエンスなスーパーマーケットだ。
都心小型店だから、
それが際立って見える。
エブリデーロープライスが最大の特徴だ。
物流は協働・協調し、
店頭では競争する。
あくまでも、
「公平で中立でわかりやすく」
それが関西でも一歩前進した。
〈結城義晴〉
2 件のコメント
物流は、本当に暗黒大陸です。ここを真に解決できれば、桁外れなコスト削減になります。
商品情報、在庫情報等がオープンになることの抵抗感は大きいですが、情報の暗号化技術をうまく使えば、そうした問題も解決できるのではと、夢想しています。
同感です。
そのために商品マスターの統一が求められるでしょう。
それが研究会のテーマでもあります。
日本は残念ながらここでもガラパゴスです。