結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年12月20日(金曜日)

記者会見2本/関西SM物流研究会発足とヤオコーの来年の展望

あすの冬至を控えて今日は、
年末の記者会見が二つ。

一つは日本スーパーマーケット協会の会見。
ベルサール東京日本橋。IMG_9873 (002)

私はこちらに参加した。

11月のスーパーマーケット統計発表。
既存店の前年比は104.3%だった。

同じく11月の日本生活協同組合連合会の統計。
こちらは前年比102.6%。
店舗が101.8%、宅配が103.2%、
宅配のうちの個配が一番伸びていて104.9%。

それから岩崎高治会長の1年間の総括。
㈱ライフコーポレーション社長。
IMG_9875 (002)
「手ごたえのあった1年」と総括した。
首都圏SM物流研究会も参加企業が19社に増えた。

2025年年頭所感が発表されている。

「年収の壁」に関する提言も、
スーパーマーケット三団体会長の連名で、
3つの観点から公開されている。

これらの内容は解説を加えて、
月刊商人舎1月号に掲載する。

さらに、
「関西SM物流研究会発足」の発表。 

続いて岩崎会長が趣旨を説明した。

まず4社の参加によって、
初回研究会は2025年2月20日に開催される。
㈱平和堂、㈱万代、㈱オークワ、
そしてライフコーポレーション。

当面の課題は3つ。
⑴物流の効率化
⑵共同配送の検討
⑶荷待ち・荷役作業等時間の削減

加えて、
⑷参加企業トップのコミットメント

そのあとは3社からの決意表明。

平松正嗣平和堂社長。
「関西の2府7県で168店を展開している。
祖業は靴と鞄の店だったが、
現在は8割が食品となった。
だからこの研究会で問題を解決していく」IMG_9887 (002)

阿部秀行㈱万代社長。
「4社で関西のスーパーマーケットの、
31%のシェアを占める。
現在も競争はしているが、
互いにコストを下げる必要がある。
物流問題は2024年で終わるわけではない。
どんどん厳しくなっていく」IMG_9891 (002)

大桑弘嗣オークワ社長。
「最初に協会で研究会をやると聞いたとき、
4点は自分のところでやっていた。
しかしお盆商戦の前は、
計画を組んだ以上のことはやれなかった。
イレギュラーな場合の問題解決が必要だ」IMG_9898 (002)
その後、質疑応答。

この議論も月刊商人舎1月号で掲載する。

4人のハドルをカメラが囲んで撮影。IMG_9903 (002)

31%のシェアの4社だが、
もうすでに41%くらいの企業が参加するようだ。IMG_9909 (002)

物流研究会には裏方さんが大事だ。

時岡肯平日本加工食品卸協会専務理事。
國分出身のコーネル大学ジャパン1期生。IMG_9911 (002)

そして江口法生さん。
日本スーパーマーケット協会専務理事。IMG_9912 (002)

物流は協働・協調し、
店頭では競争する。 

岩崎さんが強調した。
「公平で中立でわかりやすく」

それがこの研究会の在り方だ。

この研究会に限らない。
イオンやセブン&アイも含めて、
日本全国で物流の協調・協働は必須だ。

中小チェーンだとか大チェーンだとか、
そんなことは問題ではない。

それから政府の補助金など求める必要はない。
あくまでも小売業・卸売業・製造業の、
現場が改革、改善され、
全体最適を目指す。

それには自分たちでやり切ることだ。

一方、埼玉県の川越では、
ヤオコー年末記者会見。

山本恭広商人舎編集長が取材。

テーマは、
本事業年度の進捗状況と次年度の展望。

川越駅から徒歩10分、
ヤオコーの「サポートセンター」。
チェーンストアの本部をヤオコーでは、
店舗をサポートするセンターと呼ぶ。
IMG_4585

会場には約30人の記者が集まった。IMG_4601

冒頭、川野澄人社長から営業の近況報告。IMG_4592

11月までの累計で既存店伸び率は106.1%。
客数103.5%、客単価102.7%、一品単価103.1%。
すべての項目で対前年増を記録する。

続いて、今期の進捗報告。
第11次中期経営計画の初年度。

重点施策は3つ。
第1は「南北政策」。
群馬、栃木、茨城の北エリアはシニア、
神奈川などの南エリアはヤングミドルを、
それぞれメインターゲットにする。

ヤオコーがKPIの一つにするのが、
1㎞圏内シェア。

現在は全体平均で17.18%。

南北では差が出る。
北は1㎞圏内シェア40%を超える店もある。
しかし、絶対的に商圏が薄いため、
3㎞圏内まで広げて占拠率を高める施策を打つ。

一方、南は商圏が高密度であるから、
10%程度でも成り立つ。

第2は「生鮮部門の強化」。
たとえば鮮魚の豊洲まつりは支持が定着した。
トマトはSKU拡大と鮮度管理の徹底で、
さらに売上げが伸びた。

第3は「運営の効率化」。
フルセルフレジと電子棚札の導入。
物流センターの運営改善。

着々と手を打った。

最後に川野社長が強調したこと。
「奇をてらったことはしない。強みを磨く」

納得。

さて私たちは記者会見のあとで田町へ。

札ノ辻スクエア。IMG_8254 (002)

箱根駅伝でも有名な札ノ辻の交差点。IMG_9921 (002)

その海側に開発されたのが札ノ辻スクエア。

2階にオーケーの新店がある。IMG_9923 (002)

商人舎流通SuperNews。
オーケーnews|
東京都港区・229坪の都市型店「オーケー札の辻店」5/10開設IMG_9922 (002)

オーケーの店は2階にある。
入り口は狭い。
売場面積も229坪と狭い。
駐車場は共用で有料の52台。
賃貸物件だ。IMG_9919 (002)

横長のフロアでコの字型のレイアウト。
両サイドがオープンケースのワンウェイ方式。
オーケーの定石。IMG_9914 (002)

青果から精肉へ。
ほとんど標準化された品揃え。IMG_9915 (002)

奥主通路を曲がると日配から惣菜へ。
これもいつものオーケーと変わらない。IMG_9917 (002)

中通路は2本で冷凍食品のリーチインケースが並ぶ。IMG_9918 (002)
うしてみるとオーケーは、
普通のコンビニエンスなスーパーマーケットだ。

都心小型店だから、
それが際立って見える。

エブリデーロープライスが最大の特徴だ。

札ノ辻の交差点から、
東京タワーが輝いて見えた。IMG_9920 (002)

物流は協働・協調し、
店頭では競争する。 

あくまでも、
「公平で中立でわかりやすく」

それが関西でも一歩前進した。

〈結城義晴〉


2 件のコメント

  • 物流は、本当に暗黒大陸です。ここを真に解決できれば、桁外れなコスト削減になります。
    商品情報、在庫情報等がオープンになることの抵抗感は大きいですが、情報の暗号化技術をうまく使えば、そうした問題も解決できるのではと、夢想しています。

    • 同感です。
      そのために商品マスターの統一が求められるでしょう。
      それが研究会のテーマでもあります。

      日本は残念ながらここでもガラパゴスです。

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